Lightworker SHIHOLIが制作するガラス&鏡の作品は、ガラスのボカシ加工とサンドブラスト加工の技術を用いて制作しています。
神聖幾何学の図形を彫るときはレーザーカッターや露光フィルムなどは一切使用せず、すべて手仕事で図案を型取りし、彫り加工を行っています。
彫り加工の作業工程を何度も繰り返すことによって段彫りすることができ、ガラスに濃淡を表現しております。
ガラスを円形に切り出す作業は、熟練した職人さんたちに依頼しています。
ガラス切りの道具を使って、手仕事で円形に切り出す仕事は高い技術力が求められます。
ガラスの縁を滑らかに仕上げある加工です。
これも職人さんたちにお願いして行っていただいております。
サンドブラスト加工は、ガラスに砂を吹き付けて表面を彫る工法です。
SHIHOLI が制作しているガラス&鏡の作品では、レーザーカッターや露光フィルムは使用せず、すべて手仕事で型取りし、彫り加工を進めています。
サンドブラストは大型業務用機械(関西サンド)を使用しています。
サンドブラストの機械は砂を吹きつける強弱を自由に変えることが出来、浅く彫ることも深く彫ることもできます。
また、作業を何度も繰り返すことによって浮き彫り(段彫り)も出来ます。
ボカシ加工
ガラスのボカシ加工とは、ガラスに砂を吹き付けて表面を一律に磨りガラス(曇りガラス)に加工する工法です。
ガラスのボカシ山水画(※1)を制作するときや家紋や名入れを行うときに使用するガラスのボカシ加工機械を用いて制作します。
ボカシ加工機械で砂を吹き付ける強弱を変えることによって、柔らかい風合いを表現したり、完全な磨りガラスを制作したりすることができます。
デザインと機械の使用方法のバランスを取ることによって非常に繊細な表現が可能です。
ガラスのボカシ加工機械は日本国内での製造は既に終了しているため、全国的にも稼働台数が限られてきている貴重な機械です。
(※1)ガラスのボカシ山水画とは、厚めの渋紙を使用して型紙を作り、その型をガラスの表面に転写させて描く描画方法です。この製造工程でボカシ加工機械を使用します。
現在、ガラスのボカシ山水画を作るための型紙を制作できる型師職人は全国的にもごく僅かしか残っていません。
ガラスのボカシ山水画に使う型紙は、布を染めるときに使う染色用の型紙よりも丈夫で分厚い渋紙です。ガラスの型紙に使用し得る強度を保たせるには、熟練した技術が必要であり、現存する型紙は非常に貴重なものとなっています。(写真はボカシ山水画の例)
ペン先の先端に小さなダイヤモンドが付いたエッチング用ニードルを使用し、ガラスを削ってデザイン彫刻をする技法を「ガラスのダイヤモンド彫刻」と言います。
日本では一般的に「グラスリッツェン」という用語で知られている技術です。
誰でも簡単に出来そうに見える手法ですが、完全な手彫り彫刻の作品作りには実はかなり高度な技術力と経験を要します。
なので、現在はルーターを使用して図案を彫るタイプの作品が多いようです。
SHIHOLI は必要に応じてこの技法を取り入れています。
作品を掘り終えたら、ガラスの表面を優しく水洗いし、丁寧に細かな砂を取り除きます。
ガラスの縁を滑らかにする小端磨り加工の仕上がりを確認し、完成です。
SHIHOLI が制作するガラス&鏡の作品は、作家としての手仕事を大切にしています。
人間の手を通して創り出されるガラス&鏡作品にはレーザーカッターのような仕上がりは期待できません。
しかし、すべての作品がオリジナルな一点物の作品として仕上がります。
機械の操作方法や技術、そして経験によって、同じ図案の作品であっても、異なった風合いの作品として出来上がります。
手仕事の醍醐味。
それは手作業を通して一つずつ創り出す喜びです。
大量生産は出来ませんが、素材と対話しながら創り出せるということは、作家として非常に幸せな経験だと言えます。
材料、工具、機械にも意識があります。
作業者の意識の在り方によってそれらの作業効率も変わりますし、作品の質も変化します。
作り手と素材と道具が一体となって作っているという意識を持ちながら、一つずつ、制作しています。
職人さんとの関わり
SHIHOLI の実家は東北にある老舗のガラス屋さんです。
昭和12年創業、80年以上の歴史を持つお店です。
これまで、数多くの職人さんたちと接する機会がありました。
SHIHOLI は幼少のときから両親や職人さんたちの仕事を見続けて育ち、職人さんたちの仕事ぶりを通して様々な学びを得てきました。
いま、SHIHOLIが神聖幾何学をデザインしたガラス&鏡の作品を制作できるのも、いままで出会ってきた方々や陰で支えてくださった皆様のおかげです。
ありがとうございます。
SHIHOLI
矢口 詩穗里